お役立ちコラム

新築設計に遮熱を自然に組み込む方法|設計初期に決めるべき納まりと仕様

遮熱材の相談は、たいてい建物が建ったあとにやってきます。「夏になると2階が暑い」「工場の空調費が下がらない」。そこから後付けで手を打つことになります。

けれど本来、遮熱材が最も力を発揮し、最も安く、最もきれいに納まるのは新築の設計段階です。屋根や壁の構成を自由に決められる時期に、遮熱材「Eeeサーモ」を1層加えるだけ。それだけで、輻射熱(ふくしゃねつ)を最大97%カットする建物になります。この記事では、設計初期に決めておくべき納まりと、図面・仕様書への落とし込み方を整理します。

【この記事のポイント】

  • 設計初期に決めるべきは「部位」「断熱材との役割分担」「空気層の確保」の3点
  • 矩計図に空気層を、仕様書に継ぎ目処理を明記しないと、現場で性能が落ちる
  • 遮熱材は断熱材の代替ではない。省エネ計算上の扱いを理解して併用する

初稿:2026/07/09

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なぜ「新築設計」こそ遮熱を組み込む好機なのか?

同じ遮熱材を使っても、新築で組み込むのと、後から貼るのとでは結果が変わります。理由は2つあります。

後付けにはない、納まりの自由度がある

遮熱材は、輻射熱を反射することで熱を防ぎます。この性能を引き出すには、シートの前に空気層が必要です。高温の部材に密着させると、反射する前に伝導熱がシートを通り抜けてしまうからです。

後付けでは、この空気層を「あとから捻出する」ことになります。天井裏の限られた懐、既存の胴縁の間。制約のなかでの調整です。

一方、新築なら話は逆になります。最初から空気層を織り込んだ構成を描けるのです。屋根の通気層と遮熱層を一体で計画し、垂木の寸法や通気胴縁の厚みまで含めて決められます。結果として、性能が設計値どおりに出ます


追加コストと工期を最小化できる

もうひとつは、コストです。

後付け工事では、足場、天井の解体・復旧、養生、廃材処分——遮熱材そのものより、周辺の工事費が大きくなりがちです。稼働中の建物なら、営業や操業を止める損失も乗ります。

新築なら、これらはすべて不要です。すでに組まれている足場を使い、屋根を葺く工程のあいだにシートを1層敷き込むだけ。Eeeサーモは薄く軽量で、ハサミやカッターでカットできるため、専用の重機や特殊な技能を必要としません。工期への影響もごくわずかです。

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設計初期に決めておきたい3つのこと

基本設計の段階で、次の3点を押さえておくと、実施設計から現場まで手戻りが起きません。

決定1.どの部位に入れるか

建物に入る熱の大半は、屋根からやってきます。夏の屋根表面は60℃を超えることもあり、その熱が輻射熱となって室内へ降り注ぎます。

したがって優先順位は、屋根 → 西日の当たる壁 → その他の壁です。予算が限られるなら、屋根だけでも十分に効果が体感できます。逆に、屋根を手当てせずに壁だけ施工しても、費用対効果は上がりません。

用途によっても変わります。工場や倉庫のように天井が高く屋根面積が大きい建物ほど、屋根の遮熱が効きます。住宅であれば、小屋裏や2階天井が最優先です。


決定2.断熱材との役割分担を決める

ここが最も誤解されやすい点です。遮熱材と断熱材は、防いでいる熱の種類が違います

  • 遮熱材:純アルミの反射で輻射熱(放射)を跳ね返す。夏の日射に強い
  • 断熱材:素材の厚みと空気で伝導熱の移動を遅らせる。冬の保温に強い

つまり遮熱材は断熱材の代わりにはなりません。逆もまた然りです。設計者が決めるべきは「どちらを選ぶか」ではなく、「両者をどう組み合わせるか」です。

実務上の定石は、屋根の外気側に遮熱材、室内側に断熱材。熱の入口で輻射熱を反射し、それでも侵入した熱を断熱材で抑える。この順序が、夏冬ともに効きます。


決定3.空気層と通気をどう確保するか

3つ目、そして最も重要な決定です。

Eeeサーモのアルミ面の前には、数センチの空気層を設けてください。密着させると伝導熱が直接シートへ移り、反射性能を発揮できません。屋根であれば通気層と兼ねる形で、垂木や通気胴縁の寸法として設計に落とし込みます。

あわせて、湿気の逃げ道も設計します。空気層は結露対策としても機能しますが、通気経路が閉じていれば意味がありません。軒先から棟へ抜ける通気ルートを、断面で確認してください。

納まり上どうしても空気層を取りにくい部位には、通気孔のあるEeeサーモエアーや、断熱層を併せ持つEeeサーモダブルという選択肢があります。設計段階なら、部位ごとに製品を使い分ける自由もあります。

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図面・仕様書への落とし込み方

設計意図が現場に伝わらなければ、性能は出ません。遮熱材は「貼れば効く」のではなく、「正しく納めれば効く」材料だからです。図面と仕様書に、次の3点を明記してください。

矩計図に「空気層」を寸法で明記する

最も落ちやすいのがここです。矩計図(かなばかりず)に遮熱層を描き込むだけでなく、その前後に確保する空気層の寸法を数値で入れてください

「遮熱シート施工」とだけ書かれた図面は、現場で密着張りされる可能性があります。悪意はありません。空気層が性能に直結すると知らなければ、隙間なくぴったり張るほうが丁寧な仕事に見えるからです。寸法として描いてあれば、その誤解は起こりません


施工手順のどこに入るかを指定する

屋根であれば、一般的には野地板 → Eeeサーモ → 通気層 → ルーフィング → 屋根材という順序になります。壁であれば、構造用面材の外側や、間柱間に納めます。

この順序を工程表と仕様書に明示しておくと、板金業者と大工の作業が入れ替わるタイミングで漏れが生じません。遮熱材は工種をまたぐ位置に入るため、担当の境界であいまいになりやすいのです。


継ぎ目処理を仕様書に書く

シート同士のつなぎ目に隙間があると、そこから熱が侵入します。重ね代をとり、アルミテープで目張りする——この一文を仕様書に入れるだけで、仕上がりが変わります。

Eeeサーモはハサミやカッターで簡単にカットでき、特別な工具は要りません。だからこそ「どう納めるか」の指示が、そのまま性能差になって表れます

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省エネ計算での扱いに注意|遮熱は断熱の代替ではない

設計者として、あらかじめ理解しておくべき点があります。

省エネ基準の外皮性能計算(UA値など)は、主として熱伝導による熱の移動を扱う体系です。遮熱材が防ぐ輻射熱の反射効果は、そのままの形では計算に反映されにくいのが実情です。

つまり、「遮熱材を入れたから断熱材を減らせる」とは考えないでください。断熱等級や省エネ基準の適合は、あくまで断熱材の仕様で確保する。遮熱材は、その上に「計算に表れにくいが、体感と実際の空調負荷に効く一手」として重ねる。この位置づけが、設計上も施主説明上も、最も誠実です。

実際、「冷房が効きやすくなった」「夏の2階が寝苦しくない」という声は、計算書の数字ではなく、輻射熱を断った結果として現れます。

参考として、部位ごとの設計の目安を整理しました。

部位優先度納める位置空気層の確保
屋根・小屋裏最優先野地板の上、または垂木間通気層と兼ねる
西面・南面の壁高い構造用面材の外側通気胴縁で確保
その他の壁間柱間胴縁で確保
床下低い床下地の裏根太間で確保

まとめ|設計の1行が、竣工後の快適さを決める

新築設計に遮熱を組み込むうえで、押さえるべきは次の3点です。

  • 設計初期に「部位」「断熱材との役割分担」「空気層」を決める。優先順位は屋根から
  • 矩計図に空気層の寸法を、仕様書に継ぎ目処理を明記する。現場任せにしない
  • 遮熱材は断熱材の代替ではない。省エネ計算は断熱で確保し、遮熱を重ねる

遮熱材「Eeeサーモ」は、純度99%の純アルミニウムで輻射熱を最大97%カットする薄いシート状の遮熱材です。軽量で建物への負担が小さく、ハサミやカッターでカットできるため、新築の工程に無理なく組み込めます。屋内で適切に施工すれば10年以上、効果が持続します。

竣工後に「夏の暑さをどうにかしたい」と言われてから動くのではなく、設計の段階で1層描いておく。その1行が、建物が使われ続けるあいだずっと、施主の快適さと空調コストを支えます。

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